今や、小学校などは週休2日となってしまったが、
ぼくが小さかった頃の土曜日は、
「半ドン」といって、
午前中だけ授業を受けて、
給食を食べずに家に帰ったものだ。
その日は、朝から気もそぞろで、
先生やまわりの声など、まるで耳に入らない。
「休みが1日と半分もある!好きなことができる!」
あのわくわくした気持ち。
別に大したイベントがあるわけでもない。
チラシの裏に絵を描いたり、自転車を分解したり、
ずっとアリを眺めたり、屋根に布団を敷いて昼寝をしたり・・・。
出かけるといっても、友達の家に行くくらい。
何をするか決まっていようと、いまいと平気だった。
今だってわくわくすることはある。
楽しみでしようがないこともある。
でもなぜだろう。
あの頃のわくわく感には、かなわない気がしてしまう。
ちょっぴり悔しくて、
そして、ちょっぴりうらやましい。
「素人だけで一日で小屋を作ることができるのか?」
蓋を開けたら、できた。ゆっくり小屋ができた!
みんなすごい!うごくは、はこぶは、釘打つは、塗るは。
ものづくりって、やっぱり楽しいね。みんなでつくるとより楽しいね。
ゆっくり野菜や、ご近所さんからの差入れもおいしいね。
若い人たちも、年齢を重ねた人も、みんな目がきらきらしてる。
協力してくれたみんな、本当にありがとう。
ゆっくり畑さんの小屋が、これからどう成長していくのか、あー楽しみ。
できあがった商品や製品ばかりに囲まれている生活では、
決して味わえない感覚。
自分でつくってみるとわかるよね。
みんなでやれば、それぞれの特技も見つかるよね。
驚きや発見がある毎日は、刺激的。
久しぶりに坂の町、尾道を訪ねた。
瀬戸内特有の地形、海から山がとても近い。
海沿いの繁華街に対して、家々は山側の斜面(あえてそう呼びたい)に、
隙間なく寄り添い、支えあって(いるかのように)建ち並んでいる。
わずかな敷地を猫の額に例えたら、失礼かもしれないが、
猫がたくさん住みついているこの町にはふさわしいのかも。
木々を切り倒したり、重機で斜面を平らにならしてしまうことなく、
人々は、もともとそこにあった地形に張りつくように住みついている。
先人から引き継いだ古びて傷んだ家を、
修理したり、改造したりしながら。
車やバイクが通れる道はわずか、
自転車が快適なのは下りだけ。
坂を上り下りするたびに、角を曲がるたびに、
懐かしい景色に出くわす。
迷路のあちこちに宝物が散りばめられている。
息が切れて立ち止まって振り返れば、
なんてきれいな瀬戸内の海、島々。
これって、エコタウンでしょ・・・究極の。
ヒトだっていきもの。
3000万種ともいわれる多様ないきものとともに、地球上に存在している。
ヒトだけが特別エライわけじゃない。
他のいきもの達からすれば、ヒトなんてだだのじゃまもの。
その狂暴さや野蛮さといったら、ティラノサウルスの比ではないだろう。
地球はただ回るだけ。人類が傲慢なだけ。人類が危機なだけ。
でもね。
発達した脳とこころを持っているのだから、ヒトだってできるだろう。
身の程をわきまえて、自然の恵み(いきもの)に感謝して、
それらを分けあい、そのありがたさを噛み締めて謙虚に生きるぐらいは。
そうは言っても、簡単には変わらない。突然には変えられらない。
・・・ので、まずはひとりひとりが地球と約束を結ぶ「じぶん条約」。
さっきからじっと静かに考えているのだ。